2005年03月19日

長岡藩軍事総督 河井継之助 (こんな本を読んだ)

Posted by nene2001 at 03:11 / Tag(Edit): / 0 Comments: Post / View / 1 TrackBack このエントリーを含むはてなブックマーク
長岡藩軍事総督河井継之助―武士道に生きた最後のサムライ
星 亮一
ベストセラーズ (2004/12)
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眠いよ。
早く寝ないと明日の青梅行きがしんどいよ。
でも、食器洗い乾燥機に食器・調理器具が全部入りきらなくて、2回に分けて洗うので待ってたら、寝られないのだ。
ついでだからもう少しエントリ。
新会社に勤め始めて、通勤時間ができたのでまた本をよく読み始めたので、その紹介など、書きたいと思っていたのだ。
アサマシエイトもあるし。

で、とりあえず最初にしょうかいするのが、これ、星亮一さんの河井継之助
あんまり同じ人の本ばかり読むのはよくない傾向だけれども、とはいえ世の本には駄本・駄作も多い中、クオリティの高いものを選ぼうと思えばついつい同じ人のを買ってしまう事は、誰にだってよくあると思う。
私にとっては、幕末戊辰戦争を特に列藩同盟側の視点から読む際に、よく選んでいるのが星さんの本。
過去に「奥羽越列藩同盟」、「平太の戊辰戦争―少年兵が見た会津藩の落日」、「幕末の会津藩―運命を決めた上洛」あたりを読んできたが、いずれもすばらしい内容で、特に最初の奥羽越列藩同盟は、私に列藩同盟の魅力と継之助、雲井龍雄、玉虫左太夫のような人物を紹介してくれた、まさに列藩同盟の世界観との出会いの書でした。

で、今回の継之助本ですが、その名の通り当然、通史よりは継之助の生涯とその視点から見た幕末世界を描いているわけですが、読んだ感想を一言で言うなら、「わけが判らん!」という感じです。
いや、悪い論評じゃないんです。文章が下手で意味がわからなかったとかそういう意味ではなく、主人公である継之助が、結局のところ何がしたかったのか判らなかった、という事です。
通史でよむ限り、星さんの本で読んでも、継之助は筋の通った英雄です。
無意味な戦を収めるという確固たる意思を持って薩長軍に直談判に行き、相手が理非も弁えずその提案を足蹴にするや、その制裁として参戦し薩長軍を長きに渡って苦しめ、新発田藩の裏切りや榎本艦隊の新潟回航逡巡がなければ、本当に歴史を塗り替えていたんじゃないかと思わせるほどの勢いです。

でも、個人史で読むと、全然違う継之助像が見えてくる。
全体として破格・破天荒な人物である事には変わりはないのだが、かといって常に自信を持って全ての行動を迷いなく遂行したわけではない事がよく判る。
最終的なギリギリの局面でも、戦わせてやるからしばらく待てと味方兵を鼓舞したり、戦うための根回しをしたり、むしろ和平の方がこれまでそういってきたからのアリバイ作りのようなイメージも受け、継之助は結局のところ元々戦いたかったのか、それとも本当に和平を考えていたのか、行動だけ見るとイマイチはっきりしないままだし、実際自分でも、悩みぬいてはっきりしていなかったのだと思う。
確かに最初の直談判は薩長側が足蹴にして終わったが、実はその後薩長側からコンタクトを取ってきた事もあったらしい、が、和平を本当に望んでいたなら仕切りなおす絶好のチャンスを、今度は継之助がそれを無視しており、イマイチ本気の和平だったのかわからない。
かといって、本心は主戦だったとするなら、軍事的には、直談判後の参戦では、事を構えるにあたって時既に遅し、本気で戦うならもっと早くに参戦しておかなければ、という状況だったらしい。
八丁堀奇襲・長岡奪還の華々しさ等ばかりが取り上げられるので武将としてもすごいイメージがあるが、参戦タイミングの決断等をはじめとして、継之助は未来を先取りする事や政治手腕には長けていたが、その辺の軍事的才能は今ひとつだったらしい。

別にこれは継之助は実は無能!とか書いているのではなくて、人は物事の経緯・帰結を自分の見える範囲で見て、全てが終わった後でイメージを判断するため、英雄的な人の関わった歴史を見るたび、ああすごいな、英雄ってのはいつも他の人にはできない決断をしているのだな、なんて思いがちなんだけど、どんな英雄の行動だって、みんな同じ人間、細かい点まで詳細に追ってみれば、激しい非合理と逡巡、悩みの塊なんだろうなあ、というのを、今回この本を読んで感じた。
継之助だけじゃなく、ユリウス=カエサルだって、ハンニバルだって、ナポレオンだって、みんな局面局面では悩んでいたんだろう。
ただ、その悩みの次元が少しレベルが大きいだけで、悩んでブレて軌道修正して、というのはどんな人間だって同じなんだろう、というのをこの本を読んで強く感じた。

最近ではホリエモンのフジ買収工作で、とまどいを見せず「想定内」「想定内」と言っていて、もしも、もしもだけど成功すれば、「全てを読みきって決断し、日本の経済史を書き換えた不屈の英雄」とか何とか書かれたりもするんだろうけど、でも、実際ホリエモンも今この場では、悩み、焦り、驚き、しょんべんちびってると思うよ...。
それが人間なんだと、強く思タ。

[composed and posted with ecto]


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