2006年08月05日

光武帝、萌えました

Posted by nene2001 at 14:45 / Tag(Edit): history china novel / 0 Comments: Post / View / 1 TrackBack / Google Maps このエントリーを含むはてなブックマーク

弾さんのエントリ

光武帝の伝記キヴォンヌ -404 Blog Not Found-

中国の皇帝で、ベストといったら、光武帝だと思う。

や、そこからリンクされていた「光武帝と建武二十八宿伝」とか見て、すっかり光武帝萌えになってしまったねねです。
いやあ、こんな人も知らず歴史好きを自認していたとは恥ずかしい。
今まで萌えていた西漢武帝(というよりはその頃の将軍に萌えていたのですが)より、はるかに面白そうです。
この人の伝記書くとしたら、「天地之性人為貴。」あたりのキーワードから、確かに田中芳樹が適任かも。
期待アゲ。

そういえば弾さんも挙げていた、

中国帝王図
中国帝王図
posted with amazlet on 06.08.05
田中 芳樹 狩野 あざみ 井上 祐美子 赤坂 好美 皇 名月
講談社 (1998/12)
売り上げランキング: 49,264
おすすめ度の平均: 4
3 やっぱ、歴史ってのは人物なんだよねぇ。
5 皇ファンにはオススメ!
5 醜女は描きにくい?

これ、田中芳樹ファンでもあり、井上祐美子ファンでもあり(井上祐美子さんは高校の先輩)、皇なつきファンでもあるのに何故か買ってなかったな。
今金ないけど近々買うとするか。

でも、私が今読んでる塚本版の光武帝、弾さんにはDISられてしまいましたが、確かに、

  • 実際、著者の塚本氏が、本書で何を書きたかったのかがさっぱり見えない。...フォーカスがぼけぼけなのである。
  • 致命的なのは、数々の名台詞がほとんど出てこないこと。出てくるのは「妻を娶らば陰麗華」ぐらいしかないというのはあんまりなのではないか。
  • 実際本書は劉秀が即位するところで終わっているのだが、それであれば「光武帝」というタイトルはあまりに偽りの多い看板なのではないだろうか。

あたりは問題なんだろうけど、

  • ただでさえ「人間としての面白みに欠ける」劉秀が、さらにつまらない優男にしか見えない。

あたりは、弾さんと違って読むのが遅い私は中巻の3分の1くらいまでしか読んでないので、光武帝がビジュアル的に真に英雄的な?

光武帝の面白さ:武勇がすごい
昆陽の戦いでは、王莽の新軍百万──実数42万の大軍に3000人で突撃して中央突破、その将軍である王尋を斬り、それに調子づけられた味方数万も参加し、ついに壊滅させた。

あたりがどう書かれているか判らないのでなんとも言えないのだけど、少なくとも今まで読んだ限りでは、劉秀と周辺とのやり取りは、別にあの位のぬるさでもいいんじゃないの?という感じはする。
過去にこんなエントリも書いたけれども、英雄ではあれあまり英雄英雄して書かれると、生きた血が通わないんじゃないかと言う気がするのです。
弾さんのいうhistorieかgestaeか、という差はあるかと思いますが、少なくともhistorieでは。
先の私があげたエントリでの、河井継之助を描いた星さんの本でも、gestaeとはちょっと違うかもしれないけども大局的に時代全体を俯瞰した作品では、継之助は英雄的に書かれているけど、継之助のhistorieとも言える作品では、継之助はあっちでつまづきこっちで悩み、あそこで居丈高になりかしこで弱腰になり、個々の局面ではちっとも英雄に見えなかったりする(読み返しながら書いているわけではないので、残っている印象でだけど)。
実際の英雄ってのもそんなもんじゃないかなと思うのです、例えば、当世で言うならホリエモン、私は彼に対して評価は是々非々だけど、検察の追及に対して決して節を曲げなかったくだりなんかは多分に英雄的だと思うのだけど、拘置所から出てきた時の精悍な風貌から一瞬にしてリバウンド、とかいうのを聞くと、実に人間的で面白いなあと思うのです。

翻って、塩野作品なんかでの英雄の描かれ方を見ると、塩野作品5年近く読んでないし読み返そうにも実家なので覚えている印象だけで書くと、「カエサルは(アウグストゥスはだっけ?)一つの行動を行うにも決して一つの目的だけではしなかった」とかで人間像を書かれても、確かに感銘はするんだけども、あまりにも完成されすぎていて取り付くシマもなくて、変な話悪く言えば「はあ、そうですか、そいつはすごいことでございました」と鼻白んで終わるような、そんな印象も持つんですよね。
もちろん、例えば塩野作品なんかでもカエサルやアウグストゥスなんかの失敗伝なんかもちゃんと記されているわけで、そんな中から読者はgestaeの合間を自分の経験などから補完して自分なりのhistorieとして受け取り、カエサルやアウグストゥスの精神構造に接するわけですけども。
そういう補完を考えなければ、塩野作品はプロジェクトX的というか、いい面(成功しか書かれていないというわけではなく、失敗も書かれているのだけれど、うまく説明しにくいな、プロジェクトXだってプロジェクトの行き詰まりを描くじゃないですか、そんな感じの)しか描いていないという感じがして、そのまま補完なしに受け取ると英雄が完全無欠のロボットのように感じてしまうようなきらいがあるんですよね。
んじゃなくて、英雄だって汚い事だってするし、嘘だってつくだろうし、体裁だって取り繕うだろうし、そういう点をhistorieでは描いて欲しいなという気がするのです。

もちろん、塩野作品はgestaeであり、はたすべき役割が違うだろうので別に上の文は塩野作品を貶めるために書いたわけではないです。
要するに、塚本光武帝はhistorieなので、やっぱり描き方も変わってくるんじゃないの、という話をしたかったのでした。

先にも書いたとおりまだ全体の9分の4くらいしか読んでないので、全部読んだ後では上を考慮に入れた上でも、私も orz になってしまうかもしれませんし、historieとしても田中芳樹が書いた方が面白いかもしれませんが、一応最初に紹介したものとして弁護をば。

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