2006年08月12日
YouTubeをすみだタワーの代わりにとかが素でわからない
最近(といってもピークは1ヶ月近く前だけど)私のリスペクトするブロガーの方々がやけにYouTubeを持ち上げて、テレビに取って代わるとか言ってたりするのだけど、これだけは素で判らない。
見たい番組の存在は『放送後』に知ることが多い、だからYouTube -Life is beautiful-
Broadcast 2.0 -404 Blog Not Found-
YouTubeは面白い、けど私から見ればそれはテレビのそれとは全然違って、テレビは「期待を満たしてくれる(予測の)おもしろさ」、YouTubeは「期待を裏切ってくれる(不測の)おもしろさ」だ。
テレビは面白いから毎週見よう、とか思っている番組を、毎週決まった時間に期待通り流してくれる。
一方、YouTubeは、何が挙がっているか判らない、でも思いがけない映像に出会える面白さを持っている。
両者は全然違うような気がする。
そもそも、あらかじめ見たい番組を知っているケースはごくまれで、知り合いやブログを通して「こんなおもしろい番組をやっていた」という情報を『放送後』に得る場合がほとんどである。
そんな時に役に立つのがYouTube。
中嶋さんの記事だが、弾さんも同じことを言っている。
でも、私も後から面白い、という番組を知ることはままあるけれど、それがYouTubeでヒットした確率はいまだにゼロだ。
例えば一番の例が、弾さんが毎週取り上げているコマネチ大学数学科、記事読んですごくおもしれーと思って録画しなきゃと思うのだが、いつも忘れて弾さんの記事で思い出す、という状況が何週か続いた(今はちゃんと録画してる)。
でも、この番組が、中嶋さんや弾さんがそれほど「YouTube!」と言うので検索してみっかと探しても、ひっかかったことは一度もなかった。
こんなヒット率だと、「おもしろい番組があったって?ならYouTube行くか」ととりあえず検索してみる、ようなモチベーションは限りなくゼロになるし、少なくとも私にとって、YouTubeは予測のメディアにはなり得ない。
私が知らないだけで、どこかに「この番組挙げてくれ!」と情報交換する板とかでもあるのだろうか?
それにしたって、それが周知されてて一体運営されてなければ予測のメディアにはならないと思う。
それにそんなのがあるとすると、弾さんがコマネチ大学13講見逃したと騒いだり、「ラテンアメリカの挑戦」を帰国後再放送で見よう、とか言ってるのも変だ。
おもしろい番組は後からでもYouTubeで見られるのだったら、YouTubeで見ればいいじゃん、と思う。
不測のメディアとしてYouTubeが面白いのは認めるけど、予測のメディアとしてなら、何が挙がるか判らないYouTubeよりも、ホリエモンなき後どうなってるのか判らないけど、ライブドアが掲げた「ネットとメディアの融合」の方がまだ期待できる。
ネットと既存メディアが提携したならば、少なくともある程度のコンテンツはオンデマンドで提供されるようになると思うからだ。
技術的にも、YouTubeと同レベルの動画配信を裁くくらいの技術は、ライブドアには既にあると思うし。
ましてや、弾さんの掲げた
日本ではすみだタワーなるものを立てようとしているが、一本500億円するのだ。
YouTubeの年間維持費を$24mil/yearだとして、これですみだタワーの値段を割ると、およそ18倍。
これを元にNPVの金利をはじき出すと、6%を少し切るぐらい。
VCの感覚からすると、実はずいぶんと安全な投資対象だ。
しかも500億円もいっぺんにかかることはないのだ。
に関しては、ネタでないのならば正気ですか?という気がする。
確かに「ブロード」「キャスト」する中心基盤だけで比較するなら、YouTubeはすみだタワーよりはるかに安上がりだが、YouTubeはそれだけでブロードキャストできるわけじゃない。
視聴するためのPCやネットワークといったインフラがなければ、YouTubeは何の役にも立たない。
全てのインフラが整い、あらゆるテクノロジーに通じた弾さんの家にブロードキャストする手段としては、そりゃYouTubeがもっとも安上がりなのかもしれないが、PCはまだまだ老人や子供にとって使いやすい機器とは言えないし(テレビならうちの4歳の息子でもスイッチ入れてすぐ見てる)、ネットワークはかなりコストは安くなったとはいえ、万人の家に行き渡っているわけではない。
その上、テレビは一方で、一度災害が起こったりすれば、万人に遍く必要な情報を提供するための、公器としての役割も担っている。
乾電池一つで動かせ、下手すれば自作で端末を作成できるラジオと比べれば、その役割は薄いとは言えるが、全く持っていないわけではない。
ネットワークが寸断されればたちまち使えなくなるYouTubeと比べ、耐久性も障害からの復旧性も、公器としての優位性は、だんぜんすみだタワーにあるのは間違いない(地震で折れたら知らんけど)。
サルでも使える簡便なYouTube専用端末を開発して、万人が公器として利用できるよう、無線のネットワーク接続環境を無料で整備して、といったインフラ整備を、すみだタワー守備範囲の関東一円に展開することを考えてみればいい。
YouTubeだけならすみだタワーより安くても、そういう諸問題をテレビと同レベルにまで持ってくるための投資まで視野に入れれば、とてもすみだタワーとYouTubeを比べる事はできないだろう。
はっきり言って、今のYouTubeを成り立たせている技術自体は、大したもんではないと思う。
もちろん俺に作れと言われればできないけど、ライブドアやはてな、Mixiなんかがコピーを作ろうと思ったら、いつでも作れるんじゃないかと思う。
YouTubeがテレビに並ぶためには、そんな画像配信技術なんかより、予測のメディア「としても」機能するための様々な提携や仕掛け、万人に公器として受け入れられるための機器やインフラ整備、そういった問題の方がはるかに大きいと思う。
にもかかわらず、まるでYouTubeがすでにテレビ2.0、Broadcast 2.0を実現している、といった感じで大々的に取り上げられている事に、すごく違和感を感じている。
#念のため書いておくと、本記事はYouTubeと既存テレビインフラとの比較を書いただけで、すみだタワーそのものが本当に投資して作るべきものなのか、既存の東京タワーで十分なのではないか、といったことは私は判りませんので、その件を議論するつもりはありません。
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