2006年08月13日
Web2.0はWeb2.0であって「なんとか2.0」ではない
YouTubeがテレビに並ぶためには、そんな画像配信技術なんかより、予測のメディア「としても」機能するための様々な提携や仕掛け、万人に公器として受け入れられるための機器やインフラ整備、そういった問題の方がはるかに大きいと思う。
にもかかわらず、まるでYouTubeがすでにテレビ2.0、Broadcast 2.0を実現している、といった感じで大々的に取り上げられている事に、すごく違和感を感じている。
を自分なりにもうちょっと考えてみると、Web2.0はまさしくWeb2.0以外の何者でもないが、その基盤の上で動作する、既存のアプリケーションを置き換えるようなアプリケーションは、思わず「何とか2.0」と言いたくなるけど、実は違うのではないか、と感じた。
説明を加えると、
Web2.0は、間違いなく進化だ。
何故かというと、Web1.0を実現するのと同じ基盤の上で成立しているから。
Web1.0を体験できるものは、その延長線上でWeb2.0も同じように体験できる。
つまりWeb2.0を体験するのに必要なステップとしては、
- Web1.0 ⇒ Web2.0
の1ステップだけであり、これは進化と呼んで差し支えない。
ところが、Web2.0基盤の上に成り立つ他のアプリケーションはどうか?
例えば既存のYouTubeをテレビ2.0として呼ぶ場合を考えよう。
確かに、YouTubeの提供するエクスペリエンス、その生み出す新しい価値観は、テレビ2.0と呼びたくなる代物かもしれない。
だが、そのテレビ2.0を体験するために必要なステップを考えてみよう。
テレビ2.0はWeb2.0の基盤の上に乗っている以上、テレビ2.0を体験しようとするユーザは、まずWeb2.0を、その前にWeb1.0を体験しないといけない。
- テレビ1.0 ⇒ Web1.0 ⇒ Web2.0 ⇒ テレビ2.0
つまり、テレビ1.0を体験しているユーザは、その基盤のまま単なる端末の買い替え等でそのままテレビ2.0に移行できるのではなく、Web1.0体験済み、Web2.0体験済みといった条件をクリアしなければ、テレビ2.0に移行できないのである。
そして、「この期に及んで」まだWeb1.0を体験していないユーザにとって、Web1.0を体験するという最初のステップがどれほどハードルが高いかというのは、ちょっと考えてもらえば判ると思う。
その意味では、新しい価値観を提供した、という点では確かに進化なのだが、「テレビ1.0を実現するのと同じ基盤でユーザに体験を提供できない」という点では、YouTubeはテレビ1.0から見て明らかに「退化」なのである。
進化もあるがそれを打ち消すはるかに大きな退化もある、そんなものを「2.0」と呼ぶことはできない。
もちろんこの先、YouTube(或いはその類似サービス)がもたらす価値観変化が広く社会に浸透してくれば、それをテレビ1.0と同じように気軽に使えるための専用端末なんかも現れたりして、
- テレビ1.0 ⇒ テレビ2.0
というショートカットが当たり前にできるような状況が整うかもしれない。
それなら、それが成立して初めて「テレビ2.0」と呼んでやればいいじゃないか。
Web2.0の基盤の上に成立した新しいエクスペリエンスだからといって、既存のアプリケーションとの社会に与えるインパクト差を十分に考えることなく、何でもかんでも「なんとか2.0」と呼ぶのは、もうやめにしないか。
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