2006年11月28日

南に1km東に1km北に1km行って元の場所に戻る地点など地球上のどこにもない

Posted by nene2001 at 23:11 / Tag(Edit): neta science geography / 12 Comments: Post / View / 7 TrackBack / Google Maps このエントリーを含むはてなブックマーク

本記事、大嘘です。
正確には、ある地点で東を確認後盲目にまっすぐ進んだら対蹠点に着くのは確かですが、常に方位磁石で確認しつつ東に進んだら、確かに緯度に沿っての移動になります。
恥ずかしい話ですが、各地点で対蹠点方向へのベクトルを持つにもかかわらず(実際には持たないのでしたがそう思い込んでいた)、同じ緯度に留まり続けると言うのがどうしてもイメージできず、騒がせてしまいました。
すみません。

日曜日に平成教育学院見ていたら、ビルゲイツの面接試験と称して、南に1km、東に1km、北に1km行って元の場所に戻る地点は地球上にいくつあるか、という問題が出ていた。
答えは、

  1. 北極点
  2. 南極点から1kmほど離れた地点で、1km南に行った点で緯線に沿って南極点をn周したら1kmになる点、無数

ということで、無数にあるというのが答えらしい。

酷い問題だなーと思ってたら、どうも都市伝説じゃなくてマジでマイクロソフトで出た設問みたい。
ひでえ話だ。これでマイクロソフトは、そのまま雇っていたらWindows Live Localの開発に力になってたかもしれない、地理に強そうな人たくさん落としたのかもな...。

いつから「東に行く」ということが、「緯線に沿って歩く」というようなマイクロソフト独自の定義になったのか。
「東に行く」とは、ある地点を通る南北の線に垂直に、北を向いた時の右手の方向に向かって進むことだ。
この正しい定義さえ知っていれば、「東に行く」と「緯線に沿って歩く」が別概念だという事は、ちょっと図を書いたらすぐ判ることだ。

正しい東の方向

上のような図さえ描けば、A地点から東へ行くということが、2の方向に行く事ではなく1の方向に行く事だってのはすぐ判るはず。
俺たちはメルカトル図法の平面世界に住んでいるんじゃなくて、まあるい地球上に住んでるんだから。
この正しい定義に従う限り、南に1km、東に1km、北に1km行って元の場所に戻る地点など、この地球上のどこにもない。

さらに救い難いのは、この事実が準常識ではあるものの完全に常識とは言い難く、かつ冷静に論理的に考えればすぐに事実が導き出せるところ。
つまり普段はこんなこと考えた事もなかったので知らなかったけど、マイクロソフトの面接と言う真剣に考えなきゃいけない場面で、マジメに考えた挙句この事実に気付く奴だっているはずだ。
そんな、短い試験時間の間でそこまで考えが回る奴は優秀と言って差し支えないと思うけど、そういう優秀な人材まで、間違った面接試験で落とした可能性があるということ。
マイクロソフト、がっかりだよ。

後、平成教育学院でこの問題の考え方を説明している時に、極近くで方位磁石を持って...とか何とか言っていた気がするのだけど、極点と磁極点はズレているのだから、極点近くで方位磁石なんかに従ってナビゲートしたら、間違いなく遭難しますから。

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Comments

この問題は頭の体操かなにかで、20〜30年くらい前に見た記憶があります。たしか答も同じでした。
「東に行く」のが「緯線に沿って歩く」については、大昔の船なら正しいと思います。コンパスだけを頼りに等緯度で船を操っていたので、風や海流の影響を無視できれば結果的に2になります。今では電子機器をつかって最短コースを通るので、1のコースを通るのが普通のようです。今でも電子機器が使えない、緊急時には2を使うこともあるようです。何年か前にヨットレースで棄権した人が、そうやって日本へのコースをとっていたのがニュースに出ていました。
この試験の本質的な問題は「東へ行く」という言葉の曖昧さにありそうです。頭の体操としてはこれでもいいですが、入社試験としては不適切ですね。

余談ですが、ビルゲイツは頭がいいとはこれっぽっちも思いませんね。それはWindowsの設計や、マイクロソフト独自定義のIT用語を見ていれば、よく分かります。

Posted by: 貧乏神 at 2006年11月29日 01:47

マイクロソフトは地理に強い人を採用したかったのではなく、
ミクロな事でゴチャゴチャ言い出す協調性のない扱いにくい人間を
落としたかったんじゃないでしょうか?

マイクロソフト社で出題された面接問題とは書かれていても、それが
地理の理解度を調べる目的のテスト……とは一言も書かれていませんから。

正確な知識だけ合っても頭が固くて鬱陶しい理屈屋より、
融通が効いて周りともうまくやれる人間の方が必要にされると思います。

Posted by: 福の神 at 2006年11月29日 04:09

マイクロソフトがどうか知りませんが、USの面接って普通はたっぷり時間をとって(1時間のセッションを数回、とかざらです)、正解を出せるかどうかよりも問題の解決過程を見ます。したがって、ここで述べられているような説明が出来れば十分だと思いますが。個人的にはこのような、問題設定の不備を議論できる人は歓迎です (ただし、議論を建設的な方向に向けてほしいですが)

Posted by: 便所の紙 at 2006年11月29日 04:28

東の定義が「北に対する右」であるのはもちろんですが、その方向は、一歩ごとに変わるのであって、結局、「緯線に沿った曲線」と一致します。
おっしゃるところは、「ある一点における北に対する右方向の直線」なのでしょうが、その直線に沿って歩いては、宙に浮いてしまい、明らかに「東」の定義として不合理です。

Posted by: いやいや at 2006年11月29日 06:19

>東の定義が「北に対する右」であるのはもちろんですが、その方向は、一歩ごとに変わるのであって、結局、「緯線に沿った曲線」と一致します。

全く違います。
「その場その場の東」に従い続けた場合にどうなるかも、過去考察した事があります。
http://kokogiko.net/m/archives/001527.html

おっしゃるとおりでした。
訂正します。

Posted by: ねね at 2006年11月29日 08:32

常に方位磁石を見ながら東に進んだら、緯線に沿って進みますよ。
北極点から1mくらいのところで考えてみてください。方位磁石が北極点の方をきちんと指しているとしたら、まさにコンパスのようにぐるぐるまわりますよね?

Posted by: pear_eater at 2006年11月29日 13:36

「ちょっと図を書いたらすぐ判ることだ」の図の,1の矢印は画面に対して垂直なのではないでしょうか

この矢印が地上でどちらを向いているかを説明する場合は,接点が中央に来るような図を描かなければならないと思います

そういう図を描けば,矢印が緯線に平行になることは「すぐ判ること」のように思います(東西の対称性から)

Posted by: inquisitor at 2006年11月29日 16:55

昔の人が南北に進んだときの道筋として経線を定め、同じように東西に進む道筋を緯線として認識したのでしょう。
出発の瞬間に方位を決めて、直線に進んだ場合は貧乏神 さんの言われる1の大円コースになって、地球の裏側を通って元の位置に戻ることになるでしょう。ただし、この場合は進んでいる方位は常に変化している、という事になっているはずです。
ちなみに地球上の幾何は普通の幾何学とは異なり球面幾何学の世界になります。
球面幾何学の性質
* すべての直線は2点で交わる。
* 三角形の内角の和は常に180度より大きく540度より小さくなる。
学校で習った数学とは違いますよね。

Posted by: ヒュークリッド at 2006年11月29日 19:00

そのJavaアプレットでは、地理的な極を除いた任意の地点での東西方向の直線は、緯線の接線になってますよね。そういうことだと思いますが。

Posted by: ochame-cool at 2006年11月29日 22:32

>>ochame-cool
了解です。やっと判りました。
各地点で南へのベクトルを持っているはずなのに、どうして同じ緯度でトラップされるのかがどうしてもイメージできませんでしたが、ついさっき判りました。
本記事、大嘘ですね。
これだけ騒がせて恥ずかしい限りです。

Posted by: ねね at 2006年11月29日 23:21

分かりやすく言うと、「がっかりしたのは自分の息子だった」というオチでしょうか?

Posted by: はぶ at 2006年11月29日 23:57

>常に方位磁石を見ながら東に進んだら、緯線に沿って進みますよ。

北磁極と北極点とがずれていることは考慮に入っていますか?
歴史的には、方位磁石だけをみていたら正確に方位をとれないことから位置による偏角の図表が必要とされた、とあります。

Posted by: zero at 2006年12月15日 12:18
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