2006年12月22日
FONがキャズムを越えるためには
FONが爆発的に広がっています。いや、盛り上がりっぷりからみてそう感じるだけかもしれませんが、広がってそうな感じがします。
でも、今のようなイノベーターやアーリーアドプターが先を争っている間はどんどん広がるでしょうが、その先のキャズムを越えて普及する事はできるのでしょうか。
先日、FON APを求めて横浜から東京まで電車で探る旅をしましたが、その時の印象では、FONマップ等で確認できる拡がりの割には見つけられるAP数が少なく、また見つけても電波が弱く繋げられない等で、FONが本当にどこでもストレスなく繋げられるよ、というような状況になるには、アーリーマジョリティーはおろかレイトマジョリティーまで巻き込んで普及しなければきついんじゃないの?という感じがしました。
そのためにはどうするか、ということですが、これについてもヒントが先のミニ旅行(といっても単に職場からの帰途ですが)で得られた気がするので、ちょっと書いてみたいと思います。
横浜から東京まで帰る中、実に数多くのAPを見つけましたが、その中でホットスポット等を除いた明らかに家庭のAPと思われるもにには、実に全体の3割は占めていたのではないかと思われる、ある傾向のある一群がありました。
SSIDが「corega」とか、「YBBUser」とかである一群です。
SSIDを重ならないように変える、ということすらせず、説明書に書いてあることそのままにデフォルトで運用しているユーザということで、おそらく、それほど技術にも明るくなく、必要だからとりあえず導入してみたけど、原理もさっぱり判っていないという人達だと思います。
そういう一団が3割もいたということは、その外側に、SSID変えるくらいの知識はあるけどそれ以外はデフォルト運用の人達と変わらない、という一団もそれと同数くらいはいるのではないかと思います。
そういう人達(レイトマジョリティー)相手にも、FONが普及するようにならねば、FONを快適に使える環境は手に入らないのではないかと思います。
そう考えた場合。
今のFoneraは、確かに2000円未満と無線ルータとしては爆安なのですが、あまりにも説明書等が不親切すぎて、そんなデフォルト運用しか出来ないようなユーザに使いこなせるような代物とは到底思えない。
まず、日本で既に商品として売り出しているものにも関わらず、日本語の説明書がない。
この時点でレイトマジョリティーの八百屋のおばちゃんは脱落です。
さらに、英語の説明書を見ても、重要な情報は書かれていないことが多い。
プライベートアクセスポイントの暗号形式をWPAからWEPに変えることもできるっぽいのだが、説明書には書かれていない。
私は上記の理由でまだプライベートアクセスポイントに接続できてない(特に困らないので放置)のだけど、一旦接続出来た後にFoneraの機器設定用Webインタフェースへの接続はどうすればいいのかも書いてない。
インターネット上には情報あるはずなので、私がこの辺調べられていないのは、アーリーアドプターとしては情報収集能力のないヘタレという証拠かもしれませんが、キャズムの向こう側のユーザまで視野に入れた場合は明らかに手落ち。
そもそもインターネットに接続するための機器の情報がインターネットの向こうにしかないというのがおかしい。
この時点で、仲間うちではちょっと技術にうるさいつもりのアーリーマジョリティーの大学生兄ちゃんも退散です。
そして、さっそくFoneraが壊れたというレポートがありますが、このレポートの方もサポートの薄さを心配されています。
安いのはいいのですが、サポートが見込めないのであれば、サポートをとにかく気にするSI屋の中年課長も激怒します。
こういった、技術に疎い、或いは苦労してまで技術を使いたくないというアーリー・レイトマジョリティーまで視野に入れた「ユーザへのおもてなし(エクスペリエンス)」を整えないと、FONがキャズムを越えるのは難しいのではないでしょうか。
また、「YBBUser」のSSIDでも判るとおり、無線LANルータ等のインフラはISPと結びついて提供されると言う場合もしばしばあります。
「技術が面倒臭い」レイトマジョリティーにとっては、自分のISPへの接続設定まで含めて説明書で記載してくれるISP提供の無線ルータはまさに格好の機器であり、それから他のルータに乗り換えさせるのは並大抵のことではないでしょう。
というか、他の機器に乗り換えられるということすら知らない人もいるはず。
他の機器でも使えるということを知っている人でも、レイトマジョリティー、言い換えてしまえば大衆は、「世界最大の自由なWiFiネットワークを拡げる」といった理念ごときでは動かす事はできません。
具体的に「自分にどんなメリットがあるのか」ということがはっきりしなければ、大衆は動かないでしょう。
「世界のどこでもWiFiに繋げられるようになるよ!」なんてメリットは、家庭内の無線LAN環境すらよく判らないのでデフォルトで設定してしまうといった層には何の魅力もないわけです。
この辺を取り込むためにも、まずはISPとの提携で、各ISPからFoneraルータの提供、或いは置き換えのキャンペーンをしてもらい、Foneraに乗り換えればISPからこんな特典が、みたいな形での提携を進める必要があるのではないかと思います(exciteとはもうやってるみたいですが)。
また、FONのユーザ形態にはLinusとBillの2通りがあり、現在のところLinusの形態しか日本では提供していませんが、早くBillを立ち上げ、FONの理念はどうでもいいと思っている人でも、自分の家の無線LANでおこずかい程度だけど収入が入りますよ、というキャンペーンを行えば、技術や理念はどうでもいいレイトマジョリティーでも、ISPデフォルトのルータから乗り換えてでも加入しようと思うかもしれません。
ちょっと「近未来通信」的ですが...。
FONがキャズムを越えるには、こういった手を打たなければいけないんじゃないか、と先日AP探索の小旅行して思ったことを、つらつらと書いてみました。
Excerpt: 先のエントリで さらに、英語の説明書を見ても、重要な情...
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Tracked: 2006年12月25日 03:14
Excerpt: 雨は嫌い。てゆーか、傘をさすという行為が嫌いです。おはようございます。小雨の日はロンドンウォーカーなマーケティングプランナー・せきぐちです。では、今朝の新...
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Tracked: 2007年05月17日 10:14
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・「定義できない」とのたまうものを自説根拠の説明の中で延々と使う不誠実(笑)(むにゅう!)
・絵文字標準化でのキャリア批判に思うこと(kokogiko)
・文化は変わっていくのは当たり前だからこそ、今問われているのはリアルタイムの選択(むにゅう!)
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