2007年06月02日
Google Mappletが恐ろしい 各国のローカル地図サービスは本当に駆逐されるかも
今週はやたら地図・位置情報関係の話題が多い週だった(Where2.0の影響?)。
リアルタイムで気付いていた話題もあれば、masaさんのレポートを見るとgooラボのやつみたいに見逃してたのもありましたが。
そんな今週の話題の中でも、個人的に一番「これは怖い」と思ったのが、GoogleのMapplet機能の追加でした。
maedaさんには予言したとか書かれましたけど、記事書いた当時からPersonalized HomePageのガジェットとかありましたし、それ以上にstfuawscなのでどうでもいいんですが。
それでも形になったのを見ると、これは怖いと思った。
Mappletみたいなのが出てきそうな予感は感じていながら暢気な話なんですが、一方で私はこんなことも書いてまして。
別にこれは位置情報業界にとっても危機ではなくむしろ歓迎すべきことで、いぜんにも書きましたけど、このような世界共通で使える基盤としてのグローバルサービスも必要だけれども、一方で各地の特色・ニーズに最適化したローカルサービスも必要になるのは当然であり、そのセグメント分けで共存はできるんじゃないかと思います。
だから競合するどころか、むしろグローバルサービス⇔ローカルサービス間のシームレスな相互接続経路すら作られていいんじゃないかと思ったりもします(例えばGoogle Mapsで、日本近くの拡大図に来るとマピオンやMapFan、韓国だとCongnamulなんかの対応するページへの導線が貼られたり、逆にそれらのページからも、各国全図以上の縮尺に対してはGoogle Mapsへの導線が貼られたりとか)。ローカルサービスはローカルな事業者に任せておけばいいという意味では、Googleトランジットなんかは別にGoogleがやらなくてもいいサービスじゃなかったのか、という気もしますね。
うちの会社なんかも某地図サービスやってて、技術力よりは編集された(自分達で編集する場合も、編集されたものを買う場合もある)エディトリアルコンテンツの展開で売っているところで、それなりの支持も集めてたりするんだけど。
Googleはコンテンツそのものに人間の手を入れるようなことは絶対にやらないが、一方で特にコンピュータやWebのリテラシーの低いユーザ層のニーズ、或いはグローバルではなく各国事情特有のニーズ、に答えるようなコンテンツ(Googleが絶対にやらない類のコンテンツ)はやはり一定のニーズはあって、各国独自の地図サービスはそういうところを追求していけばええやん、元々そっちが得意そうなんだし、みたいな事を考えてた。
だからグローバルな次元の共通地図基盤はGoogle Mapsが、各国の固有ニーズに答える、痒いところに手が届くようなサービスは各国の地図サービスが担当して、共存できるというだけでなく、積極的に協力して、「この地域の詳細情報はこちら」みたいな感じでGoogle Maps⇔各国地図サービスの導線を張る様な展開もありじゃないの?とか考えてたりもしてた。
(実際にそんな提携が進んでいるわけではなくて、俺が勝手に思っているだけですよ)
でも、Mappletが出てきたのを実際に見て、その甘い見通しが吹っ飛びまして。
なぜならば、Googleは技術的に処理できるところばかりが強くてエディトリアルなコンテンツが弱いとしても、Mappletが出てきたことで、それをGoogle以外の誰かがGoogleの基盤の上で補うことができるからです。
Googleは全くコンテンツ作成の労と金を払うことなしに、全世界60億人のセンスと開発力を使ったエディトリアルなコンテンツも自分達の中に取り込める可能性を実現したのです。
「今週末行くなら?話題のスポット100選」だとか、「今見ごろの桜スポット100選」なんてなコンテンツだって、Google Mapsの上で展開できるようになるのです(何度も書きますが、Google自体はコンテンツ作成に一銭の金も払う事なく!)。
それだけでなく、それぞれのエディトリアルコンテンツの、レイヤーを重畳しての比較検討もできるようになる。
タダでGoogleにそんなコンテンツを作ってやるインセンティブなんてないだろうって?
開発者にしろアーティストにしろ、表現したいと感じている人間のモチベーションをなめちゃいけませんぜ。
それに、Mappletの規約自体はよく読んでないけど、もし商用利用が禁じられていないなら、天下のGoogle Maps上で自分が儲けるための機能をMappletとして仕込んでくる奴だってでてくるかもしれない。
例えばちょっと考えるだけでも、HotPepperや食べログやぐるナビのAPIから取得できるPOIには、アフィリエイトへの導線を張れるようになっているものもあるけど、そのようなアフィリエイトリンクを張ることがMappletの規約で許されるなら、儲ける事を目的でそれらのグルメサイト比較検索Mappletを作ろう、と言う奴も出てくるかもしれない。
もし現在規約で認められていないとしても、認めた方が優秀なコンテンツが提供されるとGoogleが考えればそんな規約は撤廃されるだろうし、そうなるとGoogle Mappletが一つの位置情報コンテンツビジネスの場として成立するようにもなるかもしれない。
便利なMappletが山ほどできたとしても、ユーザがそれにリーチするのも大変だろうって?
それは確かにそうなんだが、注目の新作Mappletを紹介するMappletなんてのだって作ろうと思えば作れるだろう。
「団塊の世代のセカンドライフを応援する新作Mappletとその使い方紹介Mapplet」とか。
そうなってくると、Googleは何もエディトリアルな事に投資も労力もかけていないにもかかわらず、Google Mapsがどこにも負けないエディトリアルコンテンツの一大集積地になる未来は容易に想像できる。
翻って、国毎の地方ローカル地図サービス側だ。
そりゃ俺がこう書いたからといって、今日や明日や明後日や、まあ少なくとも1年位の間は、Google Mapsもすぐにはエディトリアル化されるわけではないと思うし、これまで国別のローカルエディトリアル地図サービス使ってたユーザが、すぐにGoogle Mapsに移る、というようなことはないだろう。
でも、3-5年の間には、間違いなくそういう方向に進むだろう。
そんな時に、技術力ではGoogleには勝てそうもない、でもローカルでエディトリアルなコンテンツ提供力では勝てる、とか考えてるようなローカル地図サービス業界は、どう生き残っていけばいいのか?
本当にエディトリアルなところでしか勝てないのならば、それでもGoogle Mappletの潜在的な世界60億人のコンテンツ提供能力には勝てるはずもないのだから、それならばむしろ金もかかる自前の地図提供基盤は捨てて、Google Mappletのビジネス基盤上での優秀なエディトリアルコンテンツプロバイダとして生き残る道を探った方がいい。
それが嫌なら、単にコンテンツの編集能力とかだけではなく、それ以外の部分でGoogle Mapsに勝てる部分を模索しなければいけないだろう。
例えば、まだGoogle Mappletが出たばかりで、エディトリアルな地図サイトとしては遥かにユーザから支持されている今のうちに、Google Mapplet同様のユーザコンテンツを自サイト内に取り込めるような経路を設けることで、ユーザコンテンツの受け入れ基盤としての国内優位を今のうちに築くとか。
Google Mapsは位置情報業界に対する黒船とかよく言われたけど、それに喩えるなら今回のGoogle Mappletは下関戦争あたりのインパクトか、いずれにせよ国内地図サービスにとっては、今後は正念場になるのではないかと思う。
Excerpt: 先のエントリーでこんな事書きましたが、そこで述べたGoogle Map...
Weblog: ここギコ!
Tracked: 2007年06月08日 14:02
Google Developer DayのGoogle Mappletsのセッションで商用利用に関する質問をされた方がいたのですが、積極的に活用して欲しいという感じの回答をしてましたので禁止はしてないんじゃないかと思います。
おそらくおっしゃるような方向に真っ直ぐ突き進んでるんじゃないのかなという気がします。
最近KMLがGoogleのサービス内でやたらと扱いやすくなってたりするのもそういう目論見があるからなのかなという事を思いました。
![[ここギコ!]](http://kokogiko.net/logo.png)





・すこし先のARに必要な方向性3つ(毎日ウハウハっす(笑))
・3Dどきゅめんと…って何?点字文書?(Zebraprint)
・HTTP::MobileAgentのプラグイン取り込み機構案(Gartgoory)
・インクリメントPが新サービスBloca!を開始(fatk)
・滝川クリステル?(dicygobby)
・3Dどきゅめんと…って何?点字文書?(Zebraprint)
・すこし先のARに必要な方向性3つ(kossy)
・在日参政権問題の根本解決はサンフランシスコ平和条約後の措置を白紙に戻すしかあり得ない(A)
・普天間基地移設が軍事的に見て県外移設はあり得ないとかの議論について(チカズミ)