2007年06月17日

目の前の小銭しか見えない大局観のない輩は万死に値する

Posted by nene2001 at 20:30 / Tag(Edit): lab geek google business / 2 Comments: Post / View / 6 TrackBack / Google Maps このエントリーを含むはてなブックマーク

私のよく知る業界では老舗の某A社に、ほとんどの人がGoogle発祥と思ってるある技術について、実はGoogleが発表する1年以上前にその技術はこの人が開発して発表していたという、知る人ぞ知る伝説スーパー技術者がいる。
だが彼のようなスーパー技術者がいるにも関わらず、A社は何故かネット世界に対するテクノロジー的な貢献が少ない。
いわゆる「ラボ」の名が付くコンテンツはA社にもあるのだが、その中身は「ラボ」からイメージする開発者の自主的技術発表の場とは程遠く、ほとんど同社がプロジェクトとして取り組んでいる技術のテクノロジープレビュー的な位置付けでしかない。
ましてや、Web2.0、Blogosphere、CGM的な立場から貢献する技術やサービスの公開については、皆無と言っていい。いや、言っていいというか掛け値なしに皆無だ。
この方面での貢献やユーザ支持は、業界では老舗ながらネット上では過去あまりプレゼンスのなかった某B社が、最近始めたばかりの先鋭的ラボ集団に大きく水をあけられている。
それどころか業界の中でかなり出遅れていた、A社が開発したソリューションと同等のものをようやく最近になって投入した競合の某C社でさえ、さっそくブログパーツやCGM的コンテンツを導入したのに比べると、完全に業界に置いていかれている。
どうして彼のような先鋭的技術者がいるにも関わらず、A社はそういった方面で置いていかれてしまっているのか、不思議で仕方なかった。
たまたま、知人経由で技術者向けカンファレンスの参加者を紹介して欲しいと言われ、A社の彼やB社ラボの知人に声をかけた事もあって、久しぶりにいろいろ話したのだけれど。

で、上のような疑問についてもちょっと話してみたところ、驚かされた。
表に出してないA社内のラボ的なところでは、ブログパーツのようなWeb2.0的なものも、CGM的なコンテンツも、とっくの昔にネタは揃っているらしい。
にもかかわらず、なんでそれが表に出てこないかというと、そういうものに価値を見出せないスーツ勢力との社内政治の結果だという。
表に出してユーザに公開するものは、すべからく直接マネタイズできなければならない、また技術者の自主的な開発など認められず、必要な開発であるならばすべからくプロジェクトとして管理されなければならない、等と考えるスーツ連中に阻まれて表に出ていないのだそうだ。
あるいは社内の、例えばPCとモバイルとかのセクショナリズムで、うちの部署の守備範囲にあるソリューションは勝手に出されては困る、みたいな話で潰れるケースもあるらしい。

あきれて開いた口が塞がらなかった。
B社のラボ集団とも交流はあるので聞くところによると、やはり同様にラボ的な活動に対する社内の抵抗は存在し、開発したソリューションが社内政治の結果表に出せなかったり骨抜きにされたりといった苦労はどこでもあるようなのだけど、それにしたって100%(Web2.0やCGM的なソリューションで言えば)阻まれるというのはいくら何でも酷すぎる。

マネタイズできないソリューションは発表してはいけないて。
A社のスーツな連中は、ラボ的な活動の成果とは直接生み出す金だけだとでも思っているのだろうか?
Googleが伊達や酔狂で20%ルール導入しているとでも思っているのだろうか。
別に私が今さら書くまでもなく、ソフトウェア技術者の生産性はモチベーションの高さや新情報へのコミット度で10倍、100倍のレベルで変わってくるし、そのモチベーションやコミット度をコストをかけてコントロールすることなく、個々の技術者が自主的に高めてくれるならば、これほど安上がりなことはないだろう。
プログラマかコーダか、という話があるけれども、開発者が単に言われたことをするだけのコーダではなく、自発的にイノベーションを行うプログラマとして育ってくれれば、結果的に「マネタイズのために言われた事をする」際にもはるかに高い生産性で仕事をすることができ、結果的に大幅なコスト削減に繋がると思うのだが。
最近あちこちで盛んなラボ活動というのも、別にラボで開発したものをすぐマネタイズするとか、開発者が我侭や伊達や酔狂でやっているとか、そんな事が目的ではなくて、もっと大局的な、技術力向上による全般的な体質改善とコスト削減を視野に入れていると思うんだが。

また、こういった方面の活動を行わない事で、A社が取りこぼしてしまう支持層だってあるだろう。
先日、某所でこの業界でのサービスの人気投票みたいなことが行われていたんだけど、老舗でもっとも知られているA社のサービスが全投票数の5割近くの支持を受けていた一方で、B社のラボ活動も全体の1割程度の支持を受けていた。
A社は何年間もやっている、社を挙げて提供している正規の本格的なサービス、B社は最近始めたばかりの数人が片手間でやっている、ラボ的要素だけの非公式サービスであることを考えると、恐ろしい勢いでの支持率急追と言わざるを得ない。
この辺を支持する層は、今後流れ的にどんどん増えていくと思うし、また今は過去の蓄積から期待をもってA社を支持している層も、A社が何も行動を起こさないと判れば支持は離れていくだろうから、今後ますます支持率は追いつかれていくだろう。
だが今ならまだ、A社がこういった方面のソリューションを出せば、基本の支持層が厚い分相乗効果で支持層を大幅拡大できるだろうと思う。
これらの業界もGoogle等の巨人達が食い込んでくるようになって、技術力で圧倒されるだけでなく、A社やC社が売りにしてきたきめ細かなサービスの提供等まで、マッシュアップ基盤の提供等で世界60億人のクリエイティビティがGoogle等に集約されるようになり脅かされ始めている。
そこで反撃の狼煙を上げるには、まず時間稼ぎをせざるを得ないし、その稼げる時間を少しでも先延ばしするには、これまで支えてくれた支持層を少しでも厚く、長く持たせるための活動に力を入れなければいけない。
そんな中で、一定の支持率が存在する層をわざわざ取りこぼすような戦略は、行ってはならんのじゃないかと俺なんかは思うのだ。

そんな大局観もなく、目先のマネタイズできるかできないかだけでギークのクリエイティビティを阻害するスーツ連中は、万死に値するんじゃないかと思う。
目先で現金化できないソリューションを否定し馬鹿にするのはいいが、そのような彼らは目先の小銭を積み重ねる事で、Googleを上回る効率・価値を生み出せるという目算があるのだろうか。
というか、Googleは技術会社だと言われているけれど、ソフトウェアエンジニアリングのルールに「売れるかどうかは考えない」等と明記されているのも、見方によってはGoogleの「優秀な」スーツ陣による、「ギーク陣はギーク陣で全力で最高のいいもん作れ、どう売るかは俺達が全力で考えるから」という、覚悟完了のメッセージと受け取れない事もない。
「売れるもん作らなきゃ売らんぞ」というスーツと、「全力でいいもん作れ、どう売るかは全力で考える」というスーツと、果たしてどちらが優秀でかっこいいのか、と思ってしまう。

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Comments

>どちらが優秀でかっこいいのか

いいですね。これ。

Posted by: at 2007年06月19日 10:36

で、誰がマネタイズの役割を負うんですか?

Posted by: Po at 2007年06月20日 00:34
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