2007年10月16日
米Xybernautの電子的“道しるべ”⇒こんな特許成立しねえよ
会社で相談されたんだけど、こんな特許が存在するらしい。
米Xybernaut,電子的“道しるべ”を残す技術で日本国特許を取得
米Xybernautは,無線ネットワークを使って位置情報付きメッセージなどを記録する技術に関し,日本国特許を取得したと米国時間6月12日に発表した。
なんか無線ネットワークとか書いてあるので、何らかの無線デバイスを用いて位置を取得するところから、さらに位置に紐付いた情報をブロードキャスティングするところまで含んでいるのかと思えば、単に仮想空間に位置情報と紐付いた情報を付加したりブロードキャストしたりするだけの話やん。
ほとんどそのまま、香川大垂水先生の、スペースタグの概念と同じやないか。
記事を見るとXybernautの特許申請は、米国特許でも申請が2000年12月ってことなんだけど、垂水先生のスペースタグ概念は、論文リストを見る限りもっとも古いものは1998年には発表されているし、英語でも1999年には出ている。
Xybernautの特許申請の時点では、公知の技術だよ公知の。
というか、私実際垂水先生がスペースタグ概念を事業化するために作った会社「スペースタグ」にいた事あるんだけど、スペースタグ概念を事業化しようにも概念の特許をその会社で押えていなかったので、散々苦労した。
結局のところ特許を取れなかった理由は、垂水先生自身が論文で概念を発表してしまっていたため、公知の技術になってしまっていたからだ(聞いた話だと、論文発表から半年間は、特許として申請する優先期間があるらしいんだけど、それを過ぎると公知の技術扱いになってしまうらしい)。
本当の発案者すら公知の技術扱いで取れなかった特許を、後から取れるわけないよな?
と言っても私も特許について詳しいわけじゃないし、請求稿の内容とかでも違ってくるのかもしれないけど、少なくとももしこれで特許違反とかXybernaut社から訴えられたとしても、スペースタグの存在を示して異議申し立てして争うことはできるんじゃないの?と思います。
しかしスペースタグ社にいた頃は特許押えていなかった事で散々苦労させられたけれど、こうして歴史を残しておいてくれた事で公知の技術として、リアル位置情報に紐付いた情報流通という当たり前の発想が特許に縛られず(Xybernautとも争うことが出来る)誰でも使える概念になっているわけなので、その意味では垂水先生GJ!ですな。
Excerpt: XybernautというとWearable PCの会社というイメージなのですが、ここギコ!というページに、米Xybernautの電子的“道しるべ”⇒こん...
Weblog: 趣味と物欲
Tracked: 2007年10月16日 20:34
心情的には同感です・・・が、、、
私も特許は素人ですが、特許はなかなか複雑で、クレーム(請求項)の書き方によって、公知と思われる技術全体に必須なごく一部の技術、の部分を押さえることによって、結果として公知の技術を押さえてしまったりできるみたいです。
もっともその場合は、その特許を回避する方法も見つけやすいでしょうけど。
あと、万一特許違反で訴えられた場合の話ですが、仮に特許を取得までいっていない「出願中」でも相手に警告(「特許が成立したら今日までさかのぼって請求するぞ、みたいな」)を送ったり出来るわけですから、ましてこのケースの場合、特許そのものは成立してしまった訳で特許の権利は有効になっています。あとで公知だった、といっても成立してしまったので、その場合は特許無効の特許裁判というのを起こして、特許を無効化しないといけないのではないでしょうかね。結局特許裁判にお金がかかるので、極わずかな請求額なら払ってしまう、という事もありえるでしょう。
社内の方がその特許と関連しそうなサービスを検討されているなら、ちゃんと弁理士さんに内容をみてもらって、どこが問題か明確にしておくことは必須だと思いますよ。
Posted by: nao@locapo at 2007年10月30日 07:06追記:
もしこの会社がGISの発展を阻害するような特許攻撃をしてきそうな気配があるなら、
日本のGISコミュニティの結束が強いですから、GIS系の財団とか地図会社さんとかコンテンツ会社さんとか、アマチュアなど、GISの発展を目指す有志で、この特許無効の裁判を起こしてもいいんじゃないでしょうか。(どのくらい費用がかかるかよく知らないのですが)
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