2008年08月01日
2人の同僚が去っていった
7月は別れが多く、なかなか辛い月だった。
私が一目おいていて、いつかは一緒に何かしたいと思っていた優秀な人たちが、2人も会社を去っていった。
数ヶ月ほど精神的に不安定だった状況からようやく上向きかけていた時だっただけに、ショックもひとしおだった。
一人は技術者だった。
すごく優秀な方で、普通の人はみんな某G社が初めて開発したと思っている某技術も、実は世界で初めて開発したのはその方、というすごい人だった。
私が今の会社を選んだいくつかの理由のうちの一つも、彼がいたからだったりしたし、いつかは彼と一緒に何かやりたいと思ってのことだった。
しかしながら、部署が違ったり、また私が入ってほどなく彼は技術を担当しなくなり営業職に変わったりと、結局一緒には何もできないままに終わってしまったけれど。
優秀なのに物腰の柔らかな人で、よく親しく話をさせてもらった。
決して高慢な態度は取らないけれど、DBやJavaScriptといった、自分の絶対の自信がある専門分野については、毅然として語る人だった。
送別会で、「自分は思い上がっていた。自分の実力ならこの会社を変革できると信じていたのだけれど...」と言われていたのが印象的だった。
もう一人は企画畑の人だった。
それこそ職場が違って、ほとんど話す機会もなく、彼の在職中は数回、彼の企画について立ち話レベルで、技術的な裏付けの相談をされただけのつきあいなのだけれど。
その企画の鋭さが、どれも光っていた。
例えば、位置情報を使ってユーザの移動距離を測定を使ったエンタテイメントコンテンツを作る、という話はよくあるけれど、誰もがそういうのをゲームにしたら面白いね、とか言いはするけれど、移動距離のランキングを作るか、とかのレベル止まりで、誰も具体的なゲームモチーフに落とし込めない。
ところが彼の場合、私に相談してきた時点で、あるテーマをモチーフにして、移動距離というゲーム要素をそのテーマの抽象化されたメタファに当てはめ、具体的な企画に落とし、しかもそのテーマにあった具体的なクライアントまで設定して提案資料化し、マネタイズまで視野に入れた状態だった。
そして、私が技術的な課題をいくつか指摘すると、その本質をすぐ理解して、テーマの本質の方も変えない範囲ですぐに企画の方向修正をしていた。
別に、私のように位置情報エンタテイメントに長らく関わってきた人間がそれをできるのならば、やっぱり経験だなあということで驚きもないのだが(いや、私は経験があっても彼のようなことはできないのだけれど)、彼の場合位置情報エンタテイメントに関わった経験は一度もなく、また技術も知らない立場なのに、そこまで発想できるすごさに舌を巻いた。
その他にもいろいろ相談をされて、そのたびに発想のすごさ、面白さに驚かされていたのだが、その頃は私も「うちの会社にも面白い人もいるものだなあ」くらいの感覚で、まさかいずれ辞めるとも思っていなかったし、いずれは一緒に仕事がしたいなあ、というくらいだった。
その後、私は担当の位置情報エンタメサイトのリニューアルに取り組むことになるのだけれど、前バージョンは私が技術だけでなく企画にも関わっていて、企画全体での世界観・モチーフの統一や、適切なメタファの導入等にも気を配っていた。
ところが新バージョンになって、システムのゼロからの完全リニューアル等もあり、途中から私が技術だけで手一杯になってしまうと、途端に企画がグダグダ化・ツギハギ化していった。
全体をイメージできる人間がいなくなり、新しい要素が加わるたびに、その要素だけの感覚でテイストが定められ、例えばサイト全体で使うことを想定した導入したはずのある機能が、追加された要素では完全に忘れ去られて連携していなかったり、というような事続きだった。
色々専門家に知識や力を借りたりもしているのだけど、それは全体からぶった切った一部だけを依頼して、出てきたものを切り貼りしているだけなので、結局グダグダ感は消えない。
しかもそれが問題だということを、チームメンバーの中で、私と、多分もう一人以外は全く気付いていない。
すごい人がいるよな、とは思いつつもそれ以上でも以下でもなかった彼の存在を意識し始めたのは、その頃からだった。
彼がうちのチームに入ってくれれば、全体に余すところなく目を向けて、適切なこだわりと適切な抽象化・メタファを用いて、サイトに一本筋を通してくれるのではないかと思って。
とはいえ、私にはチームの編制などについて何の権限もなかったので、彼をチームに入れたいと言ってもすぐには無理だろうと思い、言う機会をうかがっていた。
そして7月、割と大きめの要素の導入を成功させた後の打ち上げの際、私もそれなりの功績を残した訳なので、そろそろ何か口を出してもいいだろうと思い、彼をチームに入れて欲しい、という要望を上げようとした。
ところが、彼の話題を振った途端、上司も社長もなんかモゴモゴと言ってお茶を濁すばかり。
何なのだろう?と思っていたのだが、次の日理由が判明した。
たまたま、普段いい加減なタチなもので目を通さない社内広報を見たのだけれど、そこには彼が退職するとの記事が。
どうも、彼は「すごい」と思わせる一方で、フツーの社会規範にはちょっともとるところがあったらしく、フツーにはちょっと扱いにくいところがあったらしい。
社長や上司とかなり大ゲンカをして、会社を去っていったらしい。
まさかいなくなるとは思っていなかったので、連絡先の交換も何もしていなかった。
あわてて色々伝手をあたって、何とか連絡手段は確保したので、関係を保つことはできそうだけれど。
とはいえ、もう今の会社で一緒に仕事をすることはできない。
今のミッションの企画を任せられる人材は、社内なら(知っている限りでは)彼しかいない、と思っていただけに、かなり虚無的な感覚に襲われている。
一緒に仕事をしたいと思える人たちが、どんどん会社を辞めていく。
思えば今の会社を選んだのは、どこの会社に行っても志を同じくして同じレベルで議論できる同志的な人を、社外にしか求められなかった私が、同じ志を持っている社内の人が欲しい、と思ってのことだった。
ところが、そういう人たちがどんどん辞めていく。
やっぱり、同じ視点で議論できる人は、社外にしか見つからない。
近しく議論できる人が欲しいと思って入った会社で、それが求められなかったことも、ここしばらくの精神的不調の原因だったのだけれども。
もうそういうもんなのだと覚悟を決めて、アウトサイダー的に行くしかないのかね。
精神的不調だった一時期、もう全部投げ出したくなって関わりから逃げたジオメディアサミットとかの繋がりだけど、もう一度ゼロからがんばってみるか。
というわけで、今後は外部の活動にももう一回力を入れていこうと思うので、KさんやNさん、外の人になってしまいましたが、今後も関わっていきましょう!
もし見られていたら、ぜひ次のジオメディアサミットやジオメディアイベントにも来てください!
また、シリウスさんとかと、ジオメディアサミットのような高レイヤーの話題のイベントだけでなく、低レイヤーの技術の勉強会とかもしようと話もしているので、そういう場にもKさんや、O社休職中のTさんも参加してくれれば幸いです。
またあの頃みたいに、目黒の怪しい飲み屋で飲み会開きましょう!
Excerpt: 久々の更新ですがまずはO社のTさんは休職でなくて退職ですよと他所のサイトの訂正記事を書いておくところから。 ということで以下は前回の続きだけ片付けておく...
Weblog: 飛べない日々
Tracked: 2008年08月04日 13:42
ここギコあってのジオメディアサミットです!
いろいろあるのだろうと引き止めはしませんでしたが、
是非また一緒にやりましょう!!
あとでメッセしますね
お元気ですか。長い時間に更新しませんね。なにかあったと思っていますよ。
Posted by: 宋 at 2008年08月09日 17:47![[ここギコ!]](http://kokogiko.net/logo.png)



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