2008年10月18日

コンテキストを検知できないモバイルWebなどあり得ない

Posted by nene2001 at 15:41 / Tag(Edit): mobile web iphone / 0 Comments: Post / View / 2 TrackBack / Google Maps このエントリーを含むはてなブックマーク

と個人的には思う。

モバイルWebがコンテキストを検知できるようになるまで、せっかくモバイル、すなわち常に身に着けて操作者のコンテキストをデバイスが知ることができる状態にあるにもかかわらず、実際にはコンテキストを人間がテキストに変換して、その上で検索をかけてやらなければ、コンテキストにあった情報を得ることはできなかった。
そして、そのコンテキストをテキストに変換する段階で、多くの情報が欠落していった。

例を挙げると、これまで7年間何度使った例か判らないが、身近なラーメン屋を探す場合。


大きな地図で見る

京都市左京区の地図だが、真ん中の人マークが今いるところだとする。
そしてちょっと北西にあるレストランマークが、京都時代私の好きだったラーメン屋、天宝だ。 
だが、この地図の真ん中の人は、天宝を知らず、またここがどこかも判らないままで、7年前のモバイルWeb環境で近くでおいしそうなラーメン屋を探そうとするとしよう。
今、この人がいるところは、一乗寺高槻町だ。
だから、この人は町名看板なりで住所情報を得た後、「一乗寺高槻町 ラーメン屋」で、Google検索をかけてみるだろう。
果たして道一本隔てただけの、うまいラーメン屋「天宝」は引っかかるだろうか?

残念ながらひっかからない。
なぜなら、こんなに近くても、天宝は「高野玉岡町」 で、違う住所だからだ。
住所テキストという代替情報に変換することなく、紛れもないその「位置」というコンテキストをデバイスが検知し、それをWeb上での検索条件にしてくれれば、よほど最適な情報が、広大なWebの海から取り出せるのに。
モバイルWebがコンテキストを検知できるようになる7年前まで、モバイルでの検索はこんな感じ、まさに石器時代だった。

2001年10月、転機が訪れた。
auのケータイにGPSがつき、「位置」コンテキストをモバイルデバイスが検知できるようになった。
それだけではなく、検知した情報をシームレスにWebに流すことができるようになっていたため、広大なWeb上の情報を、情報の欠落したテキストに変換する必要なく、コンテキストベースで検索できるプラットフォームになっていた。
もちろん、デバイスが検知できるだけではまだ「天宝」が検索できるようにはならず、Web側がそれを解釈できる基盤を備えなければならないが、しかしデバイスがなければそもそもそのような基盤を揃えようという動きさえ起こらない。
これは石器時代から青銅器時代にも等しい革命だと感じ、私は位置情報業界に飛び込んだ。

その後、某最大手D社のアホ部長が「ユーザは位置情報など望んでいない」と、GPSどころか基地局レベルの簡易位置情報機能すら頑なにガン無視してきたため、若干盛り上がらないところがあったものの、そのD社も今はほぼ全端末に簡易の位置情報機能を搭載し、もちろんどの社の仕様もWebでの利用はシームレスであり、つまりほぼ100%に近いモバイル端末で、位置コンテキストを直接Webで解釈できる基盤が整った。
そして、解釈する側のWeb基盤の方も、いまや情報検索サイトはモバイル端末から位置情報コンテキストを読み込んで、直接検索クエリにできるのが当たり前になっているし、風俗や出会い等のアングラ情報サイトですら、簡易位置情報やGPSで情報検索、というのが広まりつつある。
そしてモバイル端末は、QRコードリーダやFelicaを通じて、位置情報コンテキストだけではないさらに新たなコンテキストアウェアなデバイスに進化しつつある。
もちろん、ここでもキーワードは、Webとのシームレスな連携だ。

が、そこに新しい波がやってきた。
海の向こうから、非常にスタイリッシュで優れたモバイル端末がやってきた。
それは斬新で、全く新しい価値観を提供していた。
私も実に欲しくてたまらない。
それを手にするために、無意味な回線2重持ちでランニングコスト2倍、なんてことがなければ、私も多分買っていたと思う。
それほど魅力的で、PC向けWebを動きながら見ることにかけては、確かにこれに勝るモバイル端末などほとんどないだろう。
そう。
「PC向けWeb」を見ることにかけては。

PC向けWebを綺麗に見られることの代償に、その端末には、これまで閉ざされた離れ小島で進化してきたモバイル端末が身に着けていた、様々な能力が失われていた。
デバイス自体は、位置コンテキストを検知することはできるのだが、どう考えたらそんな仕様になるのかよく判らないのだけど、その情報を何故かWeb空間に引っ張ってこれない。
Webの広大な空間でせっかく得た位置コンテキストを使いたくても、わざわざローカルアプリケーションと言う小さな窓を通さないといけない。
今、離れ小島のモバイルWeb空間での、清濁併せ呑んだ、豊穣な位置情報アウェアなWebサイト群と同じものが、アプリケーションで実現できるだろうか?
風俗店や出会い系(それがいいかどうかは別として)が、GPS店舗検索アプリを作ってAppStoreで売るだろうか?
ましてやQRコードやFelicaといったその他のコンテキストは、Web連携以前にデバイス自体が検知できない状態だ。

そんな新しい端末を持ち上げて、これぞ真打のモバイルWeb端末と皆がいう。
冗談じゃない、これまで7年の歴史がありそして日々進化してきたコンテキストアウェアなWebの機能を持たないような状況で、モバイルWebを名乗るんじゃない。
「PC向けWeb」をモバイルで見るための最適なデバイス、つまり用途の違う共存可能な端末としてなら、全く理解できる。
だが、それを「モバイルWeb」というなら話は別だ、7年かけてきたコンテキストアウェアなモバイルWebの流れをぶった切って、いかに見た目は美麗であっても、本質的には石器時代並みのエクスペリエンスに引き戻す、それこそが唯一絶対の正義と言い募るのであれば、全く相容れることはできない。

解はあると思う。
PC向けWebをモバイルで見るのに最適な端末、と、コンテキストアウェアなモバイルWeb端末、という全く異なるデバイスとして進化していって、かつ相互が排他的にならないよう、回線を共有できるような形に進化するのもいい。
或いは、これまでの端末は新端末のよいところ、美麗なWebインタフェースや画期的なUI、オープンなプラットフォーム等のよい面を取り入れ、新端末はこれまでの端末のよいところ、コンテキストアウェアなWeb特性やキャリアバックボーンシステムとの綿密な連携を取り入れ、止揚したモバイルWeb、モバイル端末に進化していく、という解もあり得る。
だが、そのためには、双方の業界やユーザが、互いの特性を理解し、尊重しあうことが必要だ。
が、今、相対的に見て、どちらが相手を軽視しているかと言うと...はっきり言って、新しい端末の業界やユーザの方だと思う。

今後、ガラパゴスはどういう方向に進化していけばよいか。
もちろん、新しい端末のDNAを吸収していくことは大切だ。
その一方で、新たな強みを出すと言う意味では、新しい端末が重視していないコンテキストアウェアなWebという特性をさらに強化して、一段と多くのコンテキストがWebと連携できる方向に持っていけばよいのではないだろうか。
と同時に、これまでに検知できる様々なコンテキストも、まとめてオープンな標準化していく(もちろん、既に標準があるならそれに乗る)必要があると思う。
これまでモバイルWebはコンテキストアウェアだったといっても、例えば位置情報は、その取得方式や仕様は各社各様で、利用しようと思えばそれぞれ覚えなければならなかった。
その状況では、新しい端末がもし追随して位置情報アウェアになった場合、向こうは世界を相手にしている分、そちらが主流になるだろうし手柄もそちらに取られてしまうだろう。
この国では7年も前からモバイルWebのあるべき姿を模索してきているにもかかわらず、それではあまりに悲しすぎる。
その前に取得方式を標準化し、長らくコンテキストアウェアなWebを追求してきたこの国で、新しい端末以外の仕様が統一されている、という話になれば、コンテキストアウェアという意味では新参者の新しい端末の方もそれを無視するわけにはいかなくなると思うし、ましてそれがオープンな仕様であれば、載って来ざるを得ないだろう。

そういう方向に進んでくれればよいなと、切に思う。

1エントリ・1アイヌリンク:

ainu-アイヌ文化の紹介1

YouTubeで公開されていたアイヌ文化の紹介映像。
数回あるようだが、最初はトンコリの紹介か。

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