2008年11月01日
「冷静に」「熱く」「マジ反論」でこの内容はある意味すごい
そういえばイモ畑代執行からそろそろ2週間ですが、残り7件の代執行はお済みでしょうか。
あれだけ騒がせた貴重な府民の収入6-7億円を、台無しにするようなことがないように願いたいものです。
激昂してしっちゃかめっちゃかでこの受け答えならまあしゃあないかとも思うのですが、冷静にマジ反論、でこの内容は相当にやばいんじゃないのかなあ。
- 知事は「義務教育までは平等に扱う。その先は定員があってずっと競争。それが世の中の仕組みだと自覚しないと」
「中学までが義務教育」といったって、昔のように中卒がかなりの割合いた時代と、今のようにもうほとんど義務教育と言ってもいいくらい全入に近いような状況とでは、違うと思うんですけど。
それはさておいたとしても、義務教育までは保証するといってますが、橋本知事の場合裏では義務教育レベルの教育すら、切り捨てています。若い頃、経済的事情や時代の事情で、初等教育すら受けられなかった老人や壮年の人達が、今の日本でも多数存在しています。
若者や児童ですら、やはり経済的事情や親の放任、事件に巻き込まれたりで教育を受けられなかった人達が、どうしても一定数は出てきてしまいます。
そういう人たちにとっては、夜間中学は教育に接することができる最後の砦、という状況なわけですが、それを切っておいてのうのうと「義務教育までは保証する」等と言えたもんです。私は学生時代に4年ほど、そういったおばあさん達に文字を教えるボランティアをやっていましたが、
役所に言ったら書類に署名しないと手続きできませんと言われ、文字が書けませんといったら「ふざけないでください」と相手にされず、仕方ないので「○△」とかと書いたら「馬鹿にしているんですか」と怒鳴られたと言うお婆さんの話や、
今まで街角で見えていた変なぐにゃぐにゃした模様にみんな意味があることが判った時の喜びを語るおばあさんの話が忘れられません。
そういうのも、この日本ではみんな自己責任なんでしょうか。
-
生徒「そこで倒れた子はどうなる」
知事「最後は生活保護がある」
そこで生活保護を出しますか。
すごい感覚ですな。為政者ならば、たとえ高校助成が本当にもうできないのだとしても、中卒でもその後の選択肢はある、中卒だと就職先も見つからないような印象があるけど、そんなことにならないような政治をしていく、だから耐えて欲しい、くらいな事が言えそうなもんだけど。
いきなり転落を前提に生活保護ですか。最近読んだ生活保護の本には、
- 昔は壮年期の働き盛りの人が、ちょっとブラブラしてて生活保護、というケースが散見
- なので水際作戦と称して、働き盛りの人達の申請を思いとどまらせる窓口運用が進んだ
- ところが、就職氷河期で本当ににっちもさっちもいかない20-30歳代にも、同様の運用が行われた
- 結果、逃げ道がなくなったそれらの人は、40歳代になり精神や肉体をボロボロにし、本当に社会復帰が困難になって初めて、生活保護に流れ着くケースが増加
- ボロボロになり社会復帰できない人を、その後ずっと社会が支えるよりは、十分復帰できる若くて健康なうちに、少しの間だけ生活保護で再起をかけ、再復帰し納税者になってもらう方が、はるかに社会の負担は少ない
- ゆえに、再起可能なうちに、再チャレンジのための手段として一時的に生活保護を使ってもらうような運用を今後していくべきである
という趣旨の提言が書かれていました。
要するに失敗しても若いうちに早めに社会が支援することで、社会に支えられる側から社会を支える側にもう一度戻ってもらおう、という趣旨だけど、その意味で言うならば、もっと若いうちに社会が支援して、そもそも転落しにくいようにしてやる方が、ずっと本質的です。
「高校卒業→就職」の遷移の方が、「高校中退→生活保護→就職」といった遷移よりはるかに現実的でしょう。もし「生活保護→就職」の遷移ができず一生生活保護のままならば、
- 生活保護を月12万として年間1人当たり244万円、20歳代から60歳代だけでの計算でもトータル一人当たり5760万円の社会負担
- 本来納税者側にまわっていて、月3万円ずつの納税者になっていたとしたら、1440万円の期待値の損失、支出と併せれば一人当たり40年間で7200万円の損失
- 若者の希望と絶望、というお金に計算できない損失もあり
ということで、 私学助成を受けている子供が何人大阪にいるのか判りませんが、10人が橋下さんの言うように生活保護になれば、橋下さんがイモ畑を潰してまでこだわった6-7億円が、吹っ飛ぶ計算になりますね。
というか、そこまで長期的な視点でみなくても、
- 月々8,000円程度(すみません、どこかで見ましたがソース見つけられず) 、期間は就学期間中限定
の助成金を削減する際に、その代替物として
- 月々12万円程度で期間も限定されない
生活保護を提示するあたり、為政者の感覚としてどうかしてるとしか思えません。
生活保護は社会負担がないとでも思っているのでしょうか。
別に私は、私学助成を削減したからといってみんながみんな生活保護を受けることになる、等というまでもなく思ってませんが、高校生のどうすればいいんですかという代替案の質問に対し、生活保護と答えを返したのは橋下さんですからね。
- また、無駄な道路整備などでなく教育に税金を回すべきだという女子生徒の話には、知事は腕を組んで聴き入り、「あなたが政治家になって変えればいい」。
政治家なら今の政策の、選択の正しさを説明すべきであって、文句があるならお前が変えろ、という論理が通じるのであれば、政治家なんていらないと思うのですが。
社会で「リアルタイムで進行している」色んな利害が対立するのは当然ですが、それを何らかの観点から裁定・判断し、リアルタイムな政策を決めると同時に、その説明責任を持つのが政治家だと思います。
そこで説明することを放棄して(或いは説明していたとしても)、「文句があるなら政治家になって変えろ」等というのは、そんな事いうなら本質的には「よろしい、ならば直接民主制だ」ということになると思うし、そもそも「リアルタイムの問題」を議論している際に「リアルタイムでない解決策」を提示している時点で、全く真面目に議論していると言う印象を持てないです。
その意味では、女子高生が言ったという
- 女子生徒が「それじゃ遅いんですよ」と涙をみせても
というのは、わがままでもなんでもなくて、全くこの異常な議論の本質を突いているように思えました。
それとも、政治家にさえなってしまえば、説明責任も何も必要なく、自分の胸三寸でどうにでもできるという感覚なんだろうか。
さすが、公約違反を問われて「そういう知事を府民の皆さんが選んだ」と言ったという橋下さんらしいというか。というか、そういう物言いが通るなら、それこそ光市事件の弁護団に裁判で負けるようなやり方で文句つけるくらいなら、自分が光市事件の弁護すりゃよかったのに。
助成金問題で参政権もない女子高生が政治家になってどうこうよりは、あの問題なら既に弁護士資格を取ってる橋下さんならリアルタイム性も損なわれなかったわけなのに、なんでやらなかったんだろう。
しかし、橋下さんにしろ、その支持者にしろ、自己責任、自己責任って、まだ参政権もないし自分で経済自立しているわけでもない子供に、何を大合唱しているのか。
私学を選んだのは自己責任って、助成金があったからこそ自己責任で選んだんだろうし、だからこそそれがなくなると困るので陳情に来るのはしごく真っ当で当然の感覚だと思うのだけれど、それに対して「自己責任」というのは、全く説明になっていないと思うのだが。
それこそ、私学助成しないのであれば、最初からしないでおいてくれれば、途中で辞めて無駄になった数年を過ごすことなく、中卒後すぐ就職して、時間を無駄にせず社会経験を積むという選択肢もあったのだろうし。
「みんなが我慢しないと借金はなくならない」それはその通りだろうが、その我慢を参政権があるわけでもなく、よってこれまでの借金の責任もない子供に押し付けてどうするんだ。
社会責任もない子供に「こっちで登れるよ」と梯子を提示しておいて、途中で梯子をはずした挙句「登ったのは自己責任」、梯子無しにロッククライミングするのも大変、そこから飛び降りても大怪我、いったいどうしろと。
それこそ、「みんなで我慢」っつーんだったら、「高校は行かなくてもいい贅沢物」っつーことなんだから、高校通学者全員一律に「進学税」でも取ればええやん。
で、貧困家庭からは進学税免除すれば、実質上の助成金と一緒だし、単に今のまま助成金免除するだけよりはるかに財源が増えるだろうし、いいことづくめじゃないか。
もちろん、そうする事で、今まで助成金をもらってなかった家庭も高校を続けられなくなるかもしれないが、それはそれで仕方ないんじゃないの?だって「高校進学は自己責任」なんだし、「みんなで我慢」した結果行けなくなるなら、仕方ないんでしょ?
でも、これじゃおかしいよね?
だったら、助成金削減だって同じだ。
たとえ、百歩譲って「助成金削減がどうしても仕方ないこと」なのだとしても、それで被害を受ける人が過去に為した「助成金があることを前提にした選択」に対して、「自己責任」等と嘲笑い論うのは、何の説明にもならないし、100%正しくない。
ましてや参政権のない子供が、どうしてこれまでの借金に責任があるわけでもないのに、私達だけ(みんなじゃないよね、負担増もなくこれまで通り高校に行ける人もいる時点で)が負担を押し付けられないといけないの?という問いかけてくるのに対し、真摯に向き合って必要性を語り、でも決して君達を見捨てたわけではないと語るのではなく(或いはあれで真摯に向き合っているつもりだったとしたら「脳の失敗」か)、子供でもわかるおかしな論理ではぐらかすのは、大人のやることじゃない。
というか、いつから日本は、ここまで子供に夢や可能性を与えてやれない国になったんだろう。
子供の頃なんて、普通に夢は宇宙飛行士、でいいと思うんだけど、そこにも自己責任、あそこにも自己責任て。
或いは境遇的に現実と向き合わないといけない子がいたとしても、でも私は社会に助けてもらってここまでこれた、だから大人になると自然に社会に恩を返したいと思う、そういう社会が理想だと思うのだけど。
子供達もいつまでも無垢で無知なままじゃない。
行政にイモ畑を潰された幼児達は、今は「なんか怖いおっちゃんが僕達の畑を潰した」としか判ってなくても、その強烈なトラウマを覚えていれば、いずれ「裁判所の判断を待たずに為された代執行」や「本当に他の代執行もすぐになされたのか」と言った問題点にも気付くだろう。
夢を持ってがんばっていた高校生活を助成金削減でまともな説明もなく幕を降ろされた高校生は、いずれ自分達の夢と引き換えに作られた高速道路に対して、本当に採算が取れているのか、市民の役に立っているのかということを真剣に追求するようになるだろう。
この手の問題が起こると、やれ「お上に逆らうな」的な大合唱がネット上でもあふれるわけだけど、そういうこの手の問題の当事者に対する社会の疎外が、さらに疎外を生み反社会的(悪い意味ではなく、「お上への逆らい」程度の)分子の固定に帰結していくという、このマッチポンプ状態に、どうして気付かないのかなあ。
古くは寺子屋から、近代教育まで、日本がここまで発展してこれたのは教育の充実が一つの理由だと個人的には思ってるんだけど、社会が疲弊しているとしても教育だけは、何を削減しても最後まで手をつけるべきではないと思うよ。
日本の将来を危惧する意味においても、その影響を受けるのが、直接これまでの経緯に責任がない子供達という意味においても。
やれまともな論拠もなしに「日教組が教育を崩壊した」とか何とか言ってるよりは、教育すら経費削減の対象と為政者が考えている方が、よっぽど問題だと思うよ。
日本を捨てたアメリカ人が栄典を手にしたのを見て「何とかあれを日本人にできないか」等と法律を無理やりこねくり回す暇があったら、続く世代からそれ以上の業績を出す人が出てくるよう、力を入れた方がよほどいい。
既に栄誉を取った人をむりくり仲間に引き入れたところで何も「国民としての誇り」なんて生まれるわけないだろう、それより「私は社会に助けられた」と思える子供を増やす方が、よほど国への誇りに繋がるだろうに。
...というか、どれだけ血統主義なんだよこの国は。
1エントリ・1アイヌリンク:
ainu-アイヌ文化の紹介5
Excerpt: お台場の大観覧車が消える 契約満了 大型から「ビル一体型」時代へ (1/2ページ) - MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.c...
Weblog: 障害報告@webry
Tracked: 2008年11月05日 07:07
Excerpt: 経済はさっぱり判らないので、麻生総理が2兆円ばら撒くのが日本の経済を救...
Weblog: ここギコ!
Tracked: 2008年11月10日 23:15
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