2008年12月07日
「Web 2008 Expo」行って来ました
Web 2008 Expo(ただし2日目のみ)に行ってきました。
すんません、写真撮ってこなかったので文章のみレポートなのですが...。
Session 5の「Geomedia化するウェブ」から参加。
パネリストはYahooの地域サービス事業部長、村田さん(@生き生きモード(笑))とシリウスラボテクノロジーズ代表取締役の宮澤さん。
モデレーターは我らがジオメディアサミット運営チーム代表の関さん。
しょっぱなの、ジオメディアの歴史は、好評であったと共に力作。
村田さんは、ここで、革命的な出来事は2つあったとおっしゃってた。
1つは、97年頃のMapionやMapFanの登場で、それまで有料だった地図が無料で見られるようになったこと。
2つ目は、2005年頃の、Google Maps APIの登場で、地図が見るだけでなく、使うことまで無料になったこと。
が、村田さんは飽くまで「地図」の歴史に関する歴史として語ったので抜け落ちたと思うのだけれど、個人的にはそれに加え、2001年のケータイへのGPS機能追加を挙げたい。
基地局位置情報レベルまで遡るのならば、2000年でもいいのだが、その頃にケータイという常に持ち歩き、かつWeb空間に繋がるデバイスが、現在位置というコンテキストを検知できるようになり、かつ(ここが一番重要なのだが)その情報をシームレスにWebに流せるようになった、というのが、ジオメディアというものを考える歴史の中では革命的だったのではないかと思ってます。
ちなみに、2005年のGoogle Maps革命でたくさんの人がジオメディア系業界に飛び込んだように、私はこの2001年のGPSケータイ革命に感動して、この業界への転進を決めました。
なんだかんだと紆余曲折あった挙句、ようやくジオメディアを生業にできたのは、やっと去年だったりしますが。
続く、「なぜWebはジオメディア化しなければならないのですか?」という関さんの設問が、経緯ずっと知ってる立場からは面白かった。
なぜも何も、「ジオメディア言い出したんアンタ(関さん)ですがな」的な。
宮澤さんの「なぜ、ではなくて必然です」という答えがその通りだと思った。
別に、単に位置情報も、単なる属性、コンテキストの一つに過ぎないんだよね。
検索された文字に応じて、アクセスされた時刻に応じて、先に登録された性別等の属性に応じて、適切なコンテンツやリコメンドを提供する、というふうに、ユーザのもつ何らかの位置情報が取れたならばそれに応じて適切なコンテンツやリコメンドを提供できる、というだけの話で、普通の必然の進化過程に過ぎないと思う。
村田さんがその後話した、「テレビとか一般の広告市場はネットに食われて純減しているが、折込チラシやダイレクトメール等の広告市場は、むしろ今でも微増している」という趣旨の話は面白かった。
要するに、そういう位置的にローカルな効果を狙った広告市場は、いまだにネットはリアルに食い込めていないということ。
もちろん、そこには技術がどうこうという以前に、デバイスやコンテンツの未浸透と言うそれ以前の問題もあったりするんだけど、そういうところも含めて、ジオメディアの抱える可能性と課題として、考えていければと思う。
で、今回一番衝撃的だったのが、村田さんが「近々日本語環境にも対応させる」と言われていた、Fire Eagle。
はてブでもこれだけブクマされてるし、もうほとんど誰でも知ってる当たり前っぽいアレみたいなんだけど、恥ずかしながら最近精神的に引き篭もりがちだったので、そういうものがあるのは知ってたけど何なのかは全然追ってなかった。
後で、ジオメディアサミットの仲間や同僚に、「以前レポートしてますよ、読んでくださいよ」と散々突っ込まれたのだけれど...。
これって、GOGAさんの呼びかけで開始された、GIS-GWの発想とよく似てる。
GIS-GWは、あるサイトで取った位置情報を、別のサイトへの遷移時に引き継ぐ仕様を統一しましょうという視点なのだけど、Fire Eagle的に中央に位置情報を集めて、位置情報をブロードキャストするという発想も挙がってた。
ただ、適用ユースケースとして挙がってたのは、TwitterとかFlickrで情報を共有するとかではなくて、もっぱら「ケータイ国盗り合戦」や「コロニーな生活PLUS」や「日本縦断!アンテナDASH」や「あんてなめぇ」、等等、みたいなユーザの時空間上の一点を占有する位置情報エンタメサイト間で、排他的にならずに位置情報共有して、各サイトが平和的に共存したい、という視点だったんだけど。
でも、それもGIS-GWがあらためてやらなくても、Fire Eagleが実現するなら、利用できそうだ。
ただ、位置情報エンタメサイトで利用するならば、やはり「位置情報の詐称」問題とか、「位置情報の取得手段(GPSか基地局か)と精度(GPS単独かハイブリッドか)」問題等の解決、またユーザに利用してもらい易いレベルまで仕様を落とす作業(断言するが、もしFire Eagleが日本語化しても、「国盗り」も「コロプラ」も「DASH」も「なめぇ」も、今のユーザ層の大半はFire Eagleを使いこなせないだろう)も必要になると思う。
その辺を、村田さんとも情報共有しつつ日本版Fire Eagleにフィードバックできればいいなあ。
その後の懇親会では、パネリストも務められたシリウスの宮澤社長に初めてご挨拶が出来た。
私もずっと注目してきていた位置情報ベースの広告を初めて形にし、ビジネスにされた方なので、ずっとリスペクトさせていただいていただけに、嬉しかった。
また、岩根研究所という会社の方からも、技術を紹介していただいたのだけど、こちらの技術、かなり面白い。
Googleストリートビューのような画像を取得するための技術なんだけど、よりクオリティの高い画像データが取れるようになっている。
サイトのトップページで紹介されているFLASHをみるだけでも概要は判るのだけれど、単に各ポイントで取得した画像を利用するだけでなく、前後の点での画像も処理し計算の中に入れることで、
- 撮影車両の映り込みをシャットアウトして真上から真下まで死角のないシームレスな画像データ作成
- 画像を道路面と同じ「平面」領域とそれを取り巻くビル面等の「壁面」領域に分割し、それを利用して映りこんでいるものの経緯度や高さ情報等も取得できる
といったようなことも実現しているようで、すごく面白い。
最近Googleのストリートビューを悩ませている「プライバシー」問題も、私道に入った云々はモラル/コンプライアンスの問題なので別として、通行人やナンバープレートなんかが映りこむ問題については、Googleの提供したいのは飽くまで街並み情報で、通行人やナンバープレートなんかはノイズに過ぎないにも関わらず、そのノイズが除けないためにいろいろ責められていて、可哀想だなあとは思っていたのだけれど(ただし、可哀想と思うのと問題ないと思うのは別問題なので、念の為)。
ここの技術を使えば、撮影車の映り込みを消す技術の応用で、通行人やナンバープレートを消すことも可能なのではないか。
聞いてみると、そういうことはまだやっていないということだったけど、前後の画像との差分で計算で撮影車両の映り込みがキャンセルできるのであれば、通行人なんかも、1回の撮影では無理だろうけど、お金をかけて2回同じ場所を撮影車両を走らせれば、1回目と2回目で違う映り込みをしたものは通行人や駐車車両といったノイズと判定し、キャンセルすることはできるんじゃないだろうか。
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